ナンシー関 大ハンコ展に行ってきました2008年06月15日 23時50分39秒

ナンシー愛されすぎです

行こう行こうと思いつつ気がついたら最終日ということで、行ってきました渋谷パルコ。

会場のあるフロアに行ったら大行列でびっくり。2フロア下の階段まで続いていました。並んでから20分程度で入場できましたが、中も人・人・人。お前らどんだけハンコ好きなんだよ。

原版のインパクトは予想以上でした。本当に消しゴムそのものでとても小さい。なのに彫り跡は繊細そのもの。驚いたのはエッジが垂直だったこと。普通に考えると、細い線を残すときは欠損が怖いので多少は末広がりにしそうなものですが、ナンシーさんは迷いなく垂直に刃を入れています(で、実際に線が欠損しちゃってたものもありました)。

ナンシーさんのスタンプがすごいと思うのは、消しゴム版画という制約の多い技法を用いながら、美化もデフォルメもしないところです。中でも圧巻は自画像のスタンプです。16点展示されていましたが、身も蓋もないほどそのまんまでした。世間がナンシーさんを見て抱く印象を、当の本人がそのまま表現してしまった――そんな感じです。これは尋常ではありません。この冷徹なまでに透明で客観的な眼差しこそが、ナンシーさんのTVウォッチャーとしての洞察力の正体なのかもしれません。

というわけで、300円というお値段以上に有意義な展覧会でした。全国を巡回するらしいので、お近くで催された際には是非。